古来、江戸前の象徴とされる鯊は、ひいき目に見ても器量はよくない。
しかし、天ぷら種としては他の追随を許さぬ美味。青紫蘇なども一緒に揚げ、熱々を貪れば、そのうまいこと、うまいこと、箸を置くひまもない。夏、浅場で釣るデキハゼから、9月の彼岸ハゼあたりまでは、天ぷらが一番、秋深まってからの落ちハゼ、冬場のケタハゼは活けを洗いとし、ポン酢で味わうのも悪くない。一日、船遊びに口福を探るのは如何。
(雑誌 グッティに掲載)

はぜの天ぷら